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神託によって次代の王が選ばれます、建国からの我が国特有の決まりです。
生まれる場所と時刻を神託は告げ、次代の王となる赤子には “炎の痣” が証としてありました。
神殿は生まれた次代の王を迎えにいき、将来の王に相応しく、また神に選ばれた神子として大切に育てます。
次代の王が二十歳になると新王に即位し、それまでの王は神子として神殿へ戻ります。同時に統治に関わる者達も一新され国は若返ります。一人の人間、一定の家系に権力が集中しないよう考えられた決まりだそうです。
今より百五十年ほど昔、初代王により建国される以前のことですが、人々は権力者に苦しめられていました。絶えることない戦争、年々上がる重税に、作物が育たなくなった荒れた大地。人の命も軽く、権力者の使い捨ての玩具でした。
当時まだ若く一介の神官だった初代王は、権力者の命令で戦争へ送られました。
戦場にいたのは神官や平民などの力のない者達だけで、お金のある者は賄賂を贈って戦争から逃れ、騎士や兵士達は権力者を守るため王都に留め置かれました。権力者にとって大事なのは国でも民でもなく、己の財産と命だけだったのです。
神官や平民だけで戦争なんて出来るはずありません、まして当時の神官は刃物を持つことを禁じられていましたから皆、無抵抗でパタパタ死んでいきました。中には初代王より年下の子供達も大勢いました。
初代王は何も出来ないことを嘆き悲しみ、ある決意を胸に神へ祈りました。
『虐げられる力のない者達を守りたいのです。そのために剣を持ち戦いましょう。元凶である権力者を抹殺し、平和で豊かな国を私が作りましょう。神よお力を、どうか私にお貸しください!!』
答えるかのように身体を光の膜が覆い、そのときからどんな武器であろうと傷つけられなくなりました。不死身となった初代王は敵を撃退し、戻った王都で権力者を倒し新たに建国しました。
自らが初代の王となり、騎士や兵士の対抗馬として神官から神殿騎士を立ち上げ、民や力のない者達中心の統治を行いました。命を弄ばれる人も戦争もなくなり、土地は肥え国は平和になりました。
神に守られ怪我や病気知らずだった初代王ですが寿命だけは避けられませんでした。後を継ぐものが必要になりました、しかし血縁相続制度を嫌い、自分は神官だからと結婚を拒みました。
王は本人の能力や性質により選ばれるのが正しいと判断を神に委ね、神託という形で次代の王が選ばれることになりました。
≪目次|1-1≫