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始まりはロトが村に来た日に遡る。赤ん坊を連れたロトが十五歳と若いため村長は神官なりたての下っ端と判断したらしい。つまり神官であっても神官でない者と見下し、慇懃無礼な対応でロトのすることに悉く口出したそうだ。
まず村で孤児がいる場合、村長宅に引き取り雑用させる代わりに村全体で養う。村長はそのことを主張しロトからギジュを取り上げようとしたそうだ。若者に子育てなんて無理だからと。
ロトは神官として育てる責任があると断った。
職人を呼んで小屋を直そうとすると、村長は村人を集め手伝いに駆けつけた。しかしロトとは違う指図するため段取りの手順が狂い倍以上の時間と手間がかかった。
「俺も親父に聞いた話しだが村長はずぅーっとこんな調子らしい。『子供の将来を考えるなら、水汲みと薪割りぐらい覚えさせろ』とか、お前したことないだろ? まあ余計なお世話だけどな、農民になるならまだしも神官になる奴に必要ないだろうし」
「……うん、ロトがさせてくれない」
ロトに苦労させたくなくて、とくに薪割りは大変そうだから手伝おうとした。しかしロトが嫌がりいつの間にか薪も届けられるようになった。
「だよな、お節介以外の何もんでもない。だがな悪意とも言い切れないんだ、逆にそれが厄介なんだが……んー、なんて言えばいいのかな、根本的な認識っうか立場の違い? よく解かんないけど……立場が全然違うのに同等かそれ以下って誤認してるから問題なんだ。誰が諌めても聞かないし。…それにあれ」
コージェは言葉を止めクックさんを指差す、怪我は右腕らしくロトが包帯を巻いてるが広範囲に及んでる。
「無礼だからって切られたんだ冗談じゃねえ、あいつら絶対に偽者だっっうの! それなのに村長は偉い神官様だから仕方ないって平然としてんだぜ、息子が傷つけられたっうに信じられない話しだろ!」
プンプン怒り出したコージェの話しを纏めると、村人達を村長宅へ集め新しい神官のお披露目があったらしい。紹介されたのは神官二人と警護の神殿騎士。
一人はいやに恰幅の良い年寄りで大神官だと紹介された。だが誰も信じなかったらしい、まあこんな田舎の貧しい村に大神官なんて偉い神官が来るとは思えないよな。神殿騎士は大神官の警護っう話しで隙のない眼つきのきつい男で四十か五十歳ぐらいだった。
これから村に住むのは残りの育ちの良さそうな三十歳ぐらいの神官で、大神官は懇意にしてる神官の今後が気懸かりで付き添ってきたらしい。これもまた信じられない理由だ、一人前の男に付き添いなんていらないだ
ろ、普通なら馬鹿にしてんのかって怒るはず。
今日、ロトを呼ばなかったことも村人達の疑いを深めた。最初は昨日のことがあるから村長でも流石に諦めたのだろうと考えた。だがこうなると違ってくる、神官なら本物の大神官の顔を知ってる、偽者だから顔を見られたくなかったのだと考えてしまい、その場の雰囲気は最悪だったらしい。