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「…こいつらを移動したいんだが、村長宅を借りて何人か見張りを立てようと思う、それでいいか?」
「はい、お任せします。ですがその前に少し良いですか?」
「ああ、別にいいぞ」
神殿騎士達は二人の前に跪いた。それを当然の如く流しロトと男は立ったまま話してる、ロトの側にいるキジュまで跪かれてるようで落ち着かない。神殿騎士達はロトに敬意を見せても直接話しかけない。指示を出すのが男だから当然かもしれないが変な雰囲気だ。男は指示の前にロトの意見を確認するのも不思議。
「あなたは気づいてないようですが以前にお会いしてます。金貨を積んで、『神官にして欲しい』 と頼みに来られました。以前も言いましたが神官になる道は一つしかありません、試験を受けて合格することです。いくら大神官に尽くしても無駄です、あなたは利用され捨てられたのです」
ロトの顔は厳しく冷たい、まるで罪を裁く女神のようだ。
「うっ、うう嘘だ! 私は神官だ、それも福神官なんだぞ! 偉いんだぞ! さっさと縄を解け! あの方はちゃんと証拠をくれたんだ!」
地面に胡坐をかく偽神官の顔が醜く歪む。見るに耐えない。ロトは冷笑を浮かべ。
「証拠? 神官の証明は神子の署名と印が押してある書類のみ。あの保身に長けた大神官が偽造なぞ危険な真似をすると思えませんが? ああ大神官の署名入りの書類などただの紙切れと一緒です、権限などありませんから」
「……そっ…そんな……馬鹿な…?」
偽神官の顔が真っ青になって体が見た目で解かるほどブルブル震える。
「それにキジュを狙った以上、偽者だろうと本物だろうと関係なく処刑です。大神官はそんなことも教えてくれなかったのですか? ご愁傷様です、でも自業自得ですから仕方ありませんね……ドジャさんお待たせいたしました、どうぞお連れください」
興味を失ったように向きを変え小屋へ歩き始めた。もしかしてキジュが狙われたことを怒ってたんだ。ちょっと嬉しいかも、小走りでロトの後を追う。
「…何故なんだ? ……たかが子供一匹で? 貴族の私が……あんな子供がなんだと言うんだ…処刑? ありえないだろ、私は貴族だぞ……」
偽神官はぶつぶつ呪文のように話し続けてる。現実を受け止められないんだ、他人の命は軽く自分の命は重いってか冗談じゃない。
「あのなぁ、大神官になんて騙されたか知らねえが建国以前と違うんだ、どんな身分の奴でも他人の命を奪えば罰せられるんだよ。あたりめえだろ。第一、手前は【手に特徴のある少年】を探せって何人も襲ってただろーが、そんだけ罪を犯せば誰が見たって死刑確定だ。だから言ったじゃねえか。大神官が手前をここへ差し向けたのは怒ったロト神官に殺されるとふんでだ、ロト神官に勝つ奴なんていねえからな。実力の差を見ただろ、大神官もよく知ってたぜ」
偽神官はガクッと項垂れた。
ロトは小屋へ戻って何事もなかったよう本を開き。
「少し邪魔が入ってしまいましたが勉強を続けましょう」
小屋の外ではクニ親子とコージェ親子を呼び寄せ神殿騎士達に引き合わせ男が何か言ってる。
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