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「道は悪いですが近道を通って王都へ向かいます、怪我人のドジャさんと長時間歩くのが始めてのキジュがいますので休み休み進むつもりです」

 突然だが引越しをすることになった。

 準備が終わったらすぐ出るっうので何を持つか悩む。着替えや日常品、本など全て引っ越し先にあるので必要ないそうだ。道中何があるか解からないから剣は持ったほうがよいが後は何もいらない、だが持って行きたい物があるなら早く準備するよう言われた。

「キジュ、準備できたか? もう出るって言ってるぞ」

「コージェ? どうしてここへ?」

 突然のことなのでこのまま二度と会えなくなるかもと覚悟してた、後で引越し先の住所を書いた手紙を送るつもりだったのだ。

「ん、聞いてないのか? 俺も王都まで一緒に行くんだ」

「へー、そうなんだ」

 一緒なら道中も楽しそう。ついでに引越し先にも寄って貰えば後で教える手間が省けて楽だ。

 旅のお仲間はロトとキジュ、コージェにドジャと偽神官を捕まえた神殿騎士の三人。偽神官と村長は別の神殿騎士が迎えに来たので引き渡したそうだ。きっと監獄担当の騎士かな。

「………」

 近道と言われてもそこは道じゃなかった。確かに誰かが歩いたと思しき草の生えてない道らしきものはあるが、幅は狭く足下はでこぼこ、立っている木を避けるため左右にうねり、太い根や大きい石に所々が寸断されてる。

 横に並べないので縦一列になって進む。先頭は神殿騎士の一人で次がロト、キジュ、コージェと続き、神殿騎士に支えられたドジャ、最後が残りの神殿騎士。

「おい、キジュ、そこ枝が…」

「…ッ、イタァ~ッ」

 想像以上に困難な場所で気を張ってても転ぶし、飛び出してる枝が顔に当って痛い。

 道を見失わないよう歩くので精一杯で嫌になるほど先へ進めない。歩いても歩いても周りは木ばかりで同じ景色が続き、進んでるのか同じところをぐるぐる回ってるのかどちらか段々解からなくなった。

「キジュどこ行くんだ? こっちだぞ」

 ロトのすぐ後に続いてるつもりが何度も道を逸れそうになって後ろのコージェに引き止められる。

「大丈夫ですか? もう少し進んだら一休みしましょう、頑張ってくださいね」

 気を紛らすためかコージェとロトがこまめに声をかけてくる、だが息があがり返事する余裕もない。ロトが仕方なさそうに手を繋いでくれた、ぐいぐい力強く引っ張ってくれるため格段に歩きやすい。

 小柄なロトに引かれる姿は見た目、ちょっと情けないけど。

 結局歩き続けられなくて何回も休んだ。怪我人のドジャにまで体力で負けてる、自分だって話す余裕ないくせに人を指差し笑うのが悔しい。

 せっかく一緒に連れてきてくれたのに足手纏いで、ロトが後悔してないか心配だ。



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