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 なんとか森を抜けたと思ったらそこは神殿だった。

 正確には神殿の敷地内の一部、墓地だ。特に何の説明もなかったが墓がある時点で神殿しかありえないし。

 ロトは墓地を通り抜け近くの大きな建物に入る。神殿騎士達とはここで別れた。建物内の廊下、廊下だと思うけど凄く幅が広く横に五・六人が並んで歩いてもまだ余裕がありそうな通路を、右に曲がり左に曲がり広い場所を通り抜け、また何度か曲がり、慣れた足取りでどんどん奥へ進んでく。

 途中で何度か神官に会ったが、皆その場で立ち止まり頭を下げるのに驚いた。驚いたけど神殿ではそうするもんなんだと深く考えず通り過ぎる。

 目指す場所に辿り着いたのか、両開きの豪華そうな扉をノックもせずに開けてロトは入った。中は住んでた小屋がすっぽり入ってしまいそうなぐらい広い部屋。

 いやに凝った形の飾り棚とか暖炉が部屋の豪華さを醸し出してる。中央にソファーやテーブルなど幾つもあり十人以上余裕で座れそうだし、入ってきた扉以外にも沢山の扉がついてるから多数集まる談話室か会議室だろ。

 部屋の中には誰もいず、入った途端、湯浴みするよう指図され疑問に感じた。でも神官であるロトの言うことだ、神殿ではまず外の汚れを落とすっう習慣でもあるのかと素直に従う。

 泥だらけの格好で綺麗なソファーに座るのは気が引けるし、汗で体が気持ち悪かったから綺麗になれるのはありがたい。

「湯にゆっくり浸かり体の疲れを充分に癒してから出て来てくださいね」 

 案内された風呂も広い。湯船はお湯たっぷりで疲れた手足を思い切り伸ばせ気持ちいい。

 用意してあった着替えは白いローブで、色こそ違えど神官服みたい。

 部屋に戻ると三人は既に着替え寛いでいた。ドジャなんてソファーに寝そべりまるで部屋の主のよう。

「これからはここで暮らします。ドジャさんとコージェさんも一緒ですよ」

 ロトの言葉に驚き、そして正直、嬉しかった。

 しかし次に言われた言葉の衝撃に全てが吹っ飛んだ。

「もうお気づきだと思いますが、キジュあなたは神子です」

 ロトがキジュの前に跪く。

「……はぁ?」

 自分は孤児だと思っていたのに気づくわけない。

「私は神子の教育係として神の神託に従いあなたを神殿外で育ててきました。あくまでも極一部の者しか知らない秘密のはずでした。ですがもう大勢の知るところとなり、これ以上は危険が伴います、ですので今日からは神殿で暮らしていただきます」 

「………」

 聞きたいことは色々あった、いやあったはずだが頭の中が真っ白で何も考えられなかった。ただ神子という単語がグルグル回ってる。



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