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「今から二十三年前、難しい試験を全問正解で合格っう快挙を遂げ、たった七歳で神官になった少年がいた。当時はまぐれだと噂されたらしいが、半年後の昇進試験も全問正解で神官全員を黙らせた。次の年、王の息子も唐突に十一歳で神官試験を受け、彼も全問正解で合格した。二人とも半年ごとの昇進試験を全問正解で合格していくっう驚愕の成績を残し、出世道を最短距離で駆け上った。七歳で神官になった少年は十三歳で、王の息子も十七歳で福神官になっている」
神官試験を合格後、十等神官から始まって九等神官、八等神官、中飛ばして一等神官、神官補佐、福神官、と十二段階を自分の努力次第で出世してくことができる。昇進試験は半年に一度で一つ一つ上がって飛ばせないから最短でも六年かかる。しかし凄い少年達もいたもんだ、天才ってやつか、普通の人間と頭のできが生まれつき違うんだろな。
「二十二年前頃か、二人は仲良くアテン神子の元へ通ってたらしい、二人はアテン神子の学友だから自然なことだったがサヤ福神官はおもしろくねえって感じてたらしいぞ。昇進試験を全問正解する天才達と、その二人と同等の学力があると噂されてるアテン神子、普段は馬鹿にしてるが十七歳で神官になり七年で福神官になれたケイト福神官。サヤ福神官は福神官になるのに九年かかったと聞いている……自分より頭の良い四人が一同に会してると周りが注目するんで僻んでたんじゃねえか……四人をバラバラにさせたかったらしいな。そこにタイミング良くウィート神子が生まれ、かなり強制的に王の息子をアテン神子から引き離したって聞いたぞ」
「ええ、二十一年前、サヤ福神官が強制的に王の息子をウィート神子の教育係りにしました。……私は王の息子を手伝い。そして神子を守るため私達はアテン神子とケイト福神官に近付かないことを決めました。……当時、サヤ福神官にとって新たに生まれた神子は邪魔でしかありません、四人を離したいという思惑がなければ殺されていたと思います。私達はまだ十二歳と九歳の子供で対抗できる力がありませんでした」
凄く悔しそうなロトの顔。
「私達? …もしかして七歳で神官になった少年ってロトなの!」
ロトだったら納得、改めて尊敬しちゃう。
「すげえ…」
コージェが小さく呟いた。
「十八年前頃、アテン神子が成人した辺りからサヤ福神官は神殿内で勝手ができなくなりました、神官は神子に仕えるという正しい体勢に神殿が戻ったからです。その代わり次は王城にいる貴族達に目をつけ、詐欺紛いのことを繰り返していたみたいです」
さらりと言ってるけど神官が詐欺紛いじゃ拙いだろ、問題にならなかったのか、不思議だ。
「十五年前に私は神殿を出ました。そして十三年前にアテン神子が王に即位し、教育係りがサヤ福神官からケイト福神官に書き換えられ、ケイト福神官が正式に王補佐となりました。……ドジャさんが神殿を逃げだしたのも同じ年です。……神殿に残ったのが八歳のウィート神子と二十歳の教育係りシュル福神官だけのせいか、サヤ福神官が僅かながらも勢力を取り戻しています。……そしてまた大神官の急死、神殿から離れた森の中で惨殺死体で発見されました、十二年前のことです。シュル福神官によると、神子を隠し育てるよう神託があったことを大神官にこっそり教えた翌日のことだったらしいです。その直後から神殿外にいる神殿関係者、特に赤子が襲われる事件が多発し始めました」
今回は神殿外での殺害ということで表立ってサヤ福神官が疑われることはなかった。ただ神官達はサヤ福神官のご機嫌を伺う素振りを見せ始めたそうだ、つまりご機嫌を損ねたら殺されかねないと恐れていたらしい。
ロトはシュル福神官からの連絡で知り、用心のため十三年間も神殿に近付かなかったそうだ。だからその間のことは殆ど解からないらしい。
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