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廊下の角を曲がると聖堂の入り口が見えた。向こう側に神官が大勢いるのか凄く騒がしい。
入り口の近くにいた者がキジュに気づき礼をとる。騒ぎが段々大きく聞こえ内心尻込みするが素知らぬ顔で聖堂へ踏み込む。
歩いてるのは一階と二階を繋ぐ階段の踊り場みたいな場所、入って直ぐ二階へ昇る階段があり中央に下へ続く階段がある。幅は廊下より少し広いくらい。
全体的に薄暗いが踊り場の中央付近だけは明るくはっきり見える。集中して明かりが灯されているらしい。その場にいる十人ぐらいの神官が頭を下げたままキジュ達の到着を待ってた。なんか皆、年寄りぽい。変な意味じゃなく本当に頭の毛が白いか禿げたのしかいない。
良く言えば恰幅のいい、悪く言えば弛んだ腹の肉がつかえ頭を下げてる姿勢が辛そうな爺ども。頭を下げたいのか腹を突き出したいのか、首だけを傾けた見た目ちょっと悩む微妙な体勢だ。
「銀の刺繍が神官補佐で、金の刺繍が福神官です」
ロトが小声で呟いた。神子と同じ壇上に上がれるのは神官補佐以上だけってことか。だけど皆、年寄りのわりに銀の刺繍ばかりで金は一人しかいない。それも刺繍は襟にしかなくロトとドジャとは違うようだ。
一歩進むごとに波が引くように騒ぎが収まってく、一階部分からムンムンとした熱気が伝わって薄暗くてよく見えないが多人数いると感じる。
事前に教わってたとおり中央で立ち止まり体を壁側へ向ける。馬鹿みたいに高い天井から床まであるアーチ型の細長い窓から空を見上げ日の出を待つ。色つきガラス、ステンドグラスっうそうだ、が入った価値がある珍しい窓らしい。王都でもあるのは王城と神殿だけと聞いた。
左手を胸の前で軽く握り右手を重ね、祈りの姿勢のままじっと佇む。キジュの斜め後ろ右にロトが立ち、左はドジャ。神官達の鋭い視線に晒されている背中が痛い、一時は収まった騒ぎも再び始まり見世物小屋の珍獣にでもなった気分で落ち着かない。漸く空が白み始めたとき長時間過ぎたよう感じた。
タイミングを計り声をだす。ロトは殆ど同時に、ドジャは一呼吸遅れて声が被さった。徐々に色々な声が重なって祈りは一つになる。
終わって戻るため歩き始めた、執拗に視線が追いかけてきて鬱陶しい。
部屋にはまだ寝てると思ってたコージェが寝ぼけ眼で座ってた。
「…えっ? だっ、誰っ!?」
挨拶もなしでドジャを指差し叫び拳骨で殴られた。――まあ驚きは解かるけどね。
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