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本を置いてある所も広い部屋をいくつか組み合わせ一続きの広い空間として使っていた。一番外側の壁は全面本棚で、天井と本棚の僅かな隙間に明り取りの窓が設けられてる。部屋の真ん中と仕切りの壁には背中合わせの本棚が縦方向に並び、途中通路として途切れてるが奥まで続いてた。
少し薄暗いが背表紙の文字が読めないほどでもなく落ち着いた雰囲気の場所だ。本棚には本がギッシリ詰め込まれてると予想してたのだが実際はそうでもない。綺麗に整理されてるが随所に隙間があり、国唯一の神殿とはいえ在書の数は大したことないんだなっうのが本音だ。
「おかしいですね、昔は隙間などなかったのですが」
「ああそうだな、別の場所に移動でもしたんじゃねえか?」
ロトとドジャが首傾げ、早く一階を見に行くっうことになった。本は持ち出し禁止だから減るはずない、となれば一般用の中へ混じてしまった可能性がある。
一階も二階と同じつくりだが机が少なく、代わりに背の低い本棚がある。子供向けの絵本とか童話が置いてあるらしい。
無人だった二階に比べ朝早いっうのに結構な人数が訪れていた、不思議と低年齢の子供が多い。
本を置いてある場所も二階と同じだが少し乱雑とした雰囲気で、二階ほどじゃないが隙間があるのは一緒だ。キジュは昔を知らない、だから確かなことは言えないが二階の本が混じってるってことはなさそう。
ロトは本棚を一通り見渡してから奥へ進む。階段があるのは三つ並んだ部屋の真ん中で、本のある部屋も三つ並んだ感じ。つまり縦三つ、横二つの六個並んだ部屋を入り口のある壁から一番反対側の部屋の壁に出くわす。そこには目立たない色の扉がある。意識しないと解からない、何故か本棚がない壁としか思わない場所。
ロトは勝手に扉を開けた。部屋の床には足の踏み場がないほどの本が山と積まれ、中央に置かれた机で一人の神殿騎士が何か作業をしてた。
「あなた一人ですか、組んでいる神殿騎士はどこです? 図書館担当の神官達は誰一人として修繕作業をしないのですか?」
「相方はカウンターの手伝いに…、図書館担当の神官の中で二・三名いますが、……彼らは一階全てを任されてまして……生憎今日は一人しか出て来てません」
突然の珍客にも神殿騎士は落ち着いたもので、徐に立ち上がりその場で礼儀正しく頭を下げる。
詳しく説明させると図書館担当の中にも二階にいた神官達と違う考えの者もいる。しかし彼らは冷遇され神官の身分などあってないようなもので、彼らだけで一階と修繕作業の全てを任されていた。任すっうより貴族出身のお偉い身分の方々は、一般平民の相手や手の汚れる修繕なんかやってられるかって感じでほっぽり出して見向きもしないから彼らがやるしかないらしい。
ほぼ毎日、休みも取れず出勤して朝から夕方まで忙しく働いても追いつかず、常に疲労困憊している彼らを図書館担当の者達は笑いながら眺めてるだけ。
普通の神官より神殿騎士のほうが位が高い、なので何度も諭したらしいが図書館担当の者達は聞かない。っうか考えの違う神官の中に位の高い者もいる、だが彼の言うことすら図書館担当の者達は馬鹿にし聞こうとしないらしい。
ああだからさっきの態度なのか。相手の身分が福神官だろうと神子だろうと自分達と考えの違う者は、彼らにとっては馬鹿にするだけの存在、相容れず排除しなければならない敵なのだ。
「ケイト神殿騎士総括からタラッ神官補佐へ改善するよう何度も命令が下されているはずですがご覧のような現状です」
大神官のことで忙しく、理解はしてても図書館にまで手が回らず後回しになってるそうだ。ケイト神殿騎士総括はなるべく手伝ってあげるようにと担当の神殿騎士達へお願いしたらしい。――命令ではなくお願いっうのが本当に手が回らないと感じさせる。
神殿騎士は悔しそうな顔だ、二階にいた神殿騎士達もなんとも言えない目つきで神官達を見てたっけ…。
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