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 そもそも神殿騎士がここにいるのは、この部屋から図書館外へ出られるため本を持ち出す者がいないか見張るためであって修繕作業をするためでない。

 寄生だけじゃなく思い切り迷惑もかけまくりかよ図書館担当の奴ら、可愛げも何もあったもんじゃない。もう排除するしかない、自分から還俗してくれると楽なんだけど無理だろうな、後でロトと相談して方法を考えよう。

 残すべきを間違って排除しちゃったら困るから考えの違う神官達の名前をきちんと確認しといた。ついでに仕事振りも。

 一階は一般向けだから様々な人が来てる、勉強してるのか一心不乱に本を読んでる人、二・三人で一冊の本を覗いてる人達、一応手元に本はあるがぼけっと外を眺めてる人、子供に本を読み聞かせてる人。

 肝心の神官はどこかと探せば、幼い子供達に囲まれ字を教えたり本を読んでとせがまれてる。忙しいのに嫌な顔一つせず優しい笑顔で、「順番だよ」答えてる。こちらに気づきペコッと頭を下げた、疲れたような顔をしてるがまだ若い神官で襟と袖に赤い刺繍が入ってた。

「へぇっ? 赤ってことは二等神官か、若いのにやるねえ」

「ええ将来が楽しみです」

 若い神官はロトとドジャの眼鏡に適うようだ微笑ましそうに眺めてる。神殿騎士も似たようなもので、カウンターの表で子供達に囲まれ本を読んで聞かせてた。

 出入り口に立ってる神殿騎士の片方は子供達に手を引かれ仕方なさそうに連れ回されてるし、残されたほうは「ねえご本読んで?」 と駆け寄ってくる子供達に目線を合わし、「ごめんね、オジちゃんはここから離れられないんだよ、他の神官に頼んでくれるかい?」 申し訳なさそうに誤ってた。

 ほのぼのとした心温まる風景だ、だがこれでは神殿騎士達は全く仕事にならない。

「なんで幼い子供が集まってるんだ?」

 図書館がまるで意図して幼子を集めたかのよう、神殿でそんなことしてると聞いてないが。

「…神殿なら字やある程度の勉強も教えて貰え尚且つ安全なので、親にとって安心できる場所となっているのでは?」

 ロトが少し考えてから答えた。えぇーっと、つまり神殿は一般に解放されてるし神殿騎士達が警護してるから安全だ。なのでご近所の親達が毎朝、仕事へ行く前に子供を神殿へ連れてくる。どうせならついでに字やある程度の勉強も教えて貰えば儲けもん、だから図書館へ置いてくというわけかな?

 合理的な考えで神殿は人々のためあるのだから使い方としても間違ってない。ただ神殿のほうが対応できてない。

「ドジャ、聖堂にいる暇そうな神官を五・六人連れてきて子供達の相手をするよう命令して」

 これは早々に改善しないと拙い、もし子供達に目が届かず何かあったりしたら神殿は一瞬で信頼を失いかねない。

「…ん? 解かった」

 ドジャはニヤリと笑い早足で聖堂へ向かった。口が達者そうだから即、神官達を説得して戻って来るはず。



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