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「そろそろ時間ですね」

 福神官と神官補佐は年数によって順位が決まりそれによって座る位置も決まる、案内と給仕のために残った若い神官達にロトは間違いがないよう最終確認してる。コージェは神官でないがキジュの学友なので隣に座ることになった。

 ノックが聞こえ時間に正確な神官達が現れたようだ。若い神官が決められた席へ案内してお茶とお菓子を振舞う。ロトが後ろに立ち神官の名前と役職を教えてくれた。書類によると部署は十三箇所に分かれてるが福神官と神官補佐は八名しかいず何人かは二つの部署を掛け持ちしてる。

「時間になりましたがどうなさいますか?」

 まだ二つの椅子が空だ、来てないのは治療院にいた老人の神官補佐と図書館のタラッ神官補佐。

「来ない者は仕方ありませんので始めます。今日集まって貰ったのは伝えたいこ……」

「ぎりぎりじゃったかのう? すまんなあ忙しかったのじゃ」

 ココンと扉が叩かれ開き老人の神官補佐が、「忙しい、忙しい」呟きながら案内も待たずに踏み込んでくる。後ろにはもう一人、神官補佐がいた。でっぷりと太った男だ、遅れたことを誤りもせず案内するよう若い神官に命令してる。

 腕を組み、若い神官がお茶とお菓子を出し二人が話しを聞ける状態になるまで待つ。他の神官補佐達がキジュをチラリと盗み見て隣人とヒソヒソ話してるのが見える。気分を害したのが顔に出てるんだろ、たとえ僅かな時間でも遅れて誤りもしないなんて人間として最低だ。

「……今日集まって貰ったのは皆に伝えたいことがあるからです。図書館担当の者達をほぼ全員解雇します。位と勤務年数によっては法的に訴えることも検討してます。これは……」

「ちょっと待て! 来た途端、なんの冗談なんだ!?」 

 タラッ神官補佐が立ち上がり怒鳴る。また話しを途中で遮られむっとした。

「冗談などでありません。それに突然でもありません。今朝、図書館にいた神官達へその旨を伝えたはずです、かなり時間が経ちましたが聞いてないのですか?」

「クッ…、しっ…、しかし我々は貴族出身で……」

「ああ図書館にいた神官もそれを言ってましたね、『本が読みたければ自分で探せばよいでしょう、貴族出身の我々の手を煩わせようなんて…』だそうです。神官に出身なんて関係ありません、貴族であることを誇りたいのなら王城でどうぞ」

「………」

 タラッ神官補佐は絶句し、他の神官達がクスクス笑い始めた。堪えきれないって感じでどんどん声が大きくなる。

「な…何?」

 真剣に話してて笑う場面じゃないのに困惑した。ロトは困ったように苦笑してるしドジャとコージェも困惑顔だ。

「神子様、それは無理じゃ。タラッ神官補佐程度の貴族では王城では誰も相手にせぬ」

「えっ?」

 ますます困惑してロトに助けを求めると、貴族の身分も何段階に分かれておりタラッ神官補佐の親は貴族と言っても下のほう、王城で働くことはできても意見が言える立場でないそうだ。ここにいる神官は貴族出身の者が多いから知ってるのだ。

 両手を握り締め怒りに体を振るわせたタラッ神官は踵を返し部屋を出ようとする。

「侮辱するために呼ばれたのですかな? 失礼させて頂く」

「待った! ロト捕まえて、『位と勤務年数によっては法的に訴える』ってさっき言ったでしょう。タラッ神官補佐はこの場で神殿騎士に引き渡すから」

 ロトは機敏に反応し部屋の中は音が途切れた。


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